夫婦二人で暮らす「終の棲家」をお考えの皆さまへ
『小さく建てて、豊かに暮らす』
平屋という選択
定年を迎えた団塊世代のご夫婦。
子どもが無事に独立や結婚をして、
「さぁこれから自分たちの生活をどうやって楽もうか」
と考えるのは楽しいものですね。
今後のプランに合わせて、
自宅の改修や建て替えを考えられる方も多いと思いますが、
文字通りと【終の棲家(ついのすみか)】なる次の住宅を考える上で、
いくつか重要なポイントがあります。
もちろんすべての方に当てはまるわけではありませんが、
これからの家づくりのために参考になるところがあればぜひご一読ください。
団塊世代の「男性」の傾向
まず、同じ年代を生きてきた団塊の世代といえども、今後の理想の住まい方について、男性と女性では価値観が大きく異なると言われています。
団塊世代の男性の大きな特徴は、今まで猛烈に働いてきた企業戦士が多いので、定年後のこれからは「今までの人生でやり残してきたこと、本当はやりたかったこと」を大切にする傾向があると言われています。
例えばカメラ、絵画、楽器など…。
「これまでできなかったことを取り戻していく人生」を楽しみたいと考える方が多い。
その一方で、今まで何もしてあげられなかった
奥さまを大切にしたい、という気持ちもかなり強くて、
奥さまの手伝いをしたり、夫婦で旅行をしたいと考える傾向にあります。
団塊世代の「女性」の傾向
一方、団塊世代の女性の傾向はこれとは大きく異なります。
「今までさんざん妻として、母親として、
家族のために生きてきたんだから、
これからは自分『も』楽しみたい」
と自分のために時間を使いたい傾向にあるそうです。
もう一度『一人の女性』に戻って、華やかに生きてみたい。 世界をもっと広げたい。そんな願望なのかもしれません。
終の棲家で考えなければならないこと
このように、同じ団塊世代といっても男性と女性で大きく価値観が異なっています。
これは、これから「終の棲家」で二人っきりの生活を送る上で、とても大きなポイントとなります。
何よりも大切なのが【お互いの居場所】をしっかり作るということ。
特に女性にとっては、
今まで自分の居場所だったリビングに、今までいなかった主人がずっといる
という現実が、却ってストレスにつながりかねません。
男性にとってはショックな事実かもしれませんが、 いくら「今後の人生は妻のために」と思っていても、
それが「奥さまのため」になっていない可能性があるのです。
これを理解しておかないと、 「なんでオレの(私の)気持ちがわからないんだ!」 と
お互いの気持にすれ違いが起きてしまう原因になってしまいます。
これからの人生をお互いに楽しむためには、【最適な距離感】を保つ家づくりが大切なポイントになってきます。
例えば『書斎』を造る。
ご主人の居場所を作ることで、ご主人は趣味を楽しめ、
奥さまは自分の時間を作れる。
例えば『使いやすいキッチン』や『掃除しやすいお風呂』にする。
奥さまの居場所を快適にしたり、ストレスを軽減することで、自分の時間を楽しめる。
例えば『動きやすい生活動線』を考える。
少しでも家事をラクにする工夫をすることで、余計な仕事が増えてしまわないようにする。
このような【物理的】にも【心理的】にも適度な距離感を持たせることで、
お互いの時間と居場所をしっかり確保する工夫が必要になります。
でも、大きな家やたくさんの部屋はいらない
いくらお互いの居場所を作るといっても、
これからは主に二人だけの生活。
ムダな部屋が余ってるような大きな家にするよりも、
むしろ家はコンパクトにして、掃除も移動もラクな方が
良いに決まってます。
そのためには、
家の中心にリビングを置き、
その周りにそれぞれの居場所となる書斎や寝室を配置していく。
という設計を考える方がいいでしょう。
老後を快適に過ごせる間取りとは?
1老後も安心な玄関まわり
将来的な足腰の衰えを考慮し、車いすでの出入りや杖を付いた時などの転倒やつまずきなどの危険性を想定し、段差のない玄関づくりやスロープの設置は必須です。
2老後も安心な寝室
部屋の間に引き戸を設けることにより、お互いを感じられながらも就寝のタイミングに気遣う必要がなく、お互いの時間を大切にする事ができます。また水回りを寝室近くに設置する事により、介護や体調不良の時の負担も軽減できます。
3老後や介護でも快適な水回り
トイレ、浴室、洗濯室などの水回りを一か所に集中させる事やバリアフリーのキッチンを設置する事などで、家事動線をコンパクトにし、家事労働の負担を減らす事ができます。
間取り図例(21.5坪)
『小さく建てて、豊かに暮らす』
これが、二人で暮らす
終の棲家のキーワードとなります。